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船橋整骨院BLOG

年齢に関係なく起こる「筋・筋膜性腰痛」ユニット編
2026/06/24

前回は腰部を中心にお伝えしていきましたが今回は、筋・筋膜性腰痛を考えていく中で、臀部の筋肉は非常に重要です。

「腰と骨盤と股関節を一つのユニットとして考える」ことをお伝えしていければと思っております。


特に臀筋群の機能低下(=筋力低下、筋疲労による運動低下)は、腰椎への負担増加と強く関連しております。


~大殿筋~

大殿筋は単一の筋肉としては人体最大の筋肉で、立ち上がる、歩く、階段を上る、走るなどの動作で重要な役割を果たします。(大腿四頭筋は四ヶの筋肉の集まりです)

大殿筋が弱くなると、本来股関節で行うべき動作を腰部の脊柱起立筋や腰方形筋が代償するようになります。その結果、腰部の緊張が高まり、筋・筋膜性腰痛につながります。

特にデスクワークが長い方では、大殿筋が十分に働かなくなり、脳からの神経伝達が抑制され、お尻の筋肉(大殿筋)の機能不全が生じやすく、腰痛の患者様でしばしば認められます。


~中殿筋~

腰痛との関連で最も重要な臀筋は中殿筋かもしれません。中殿筋は片脚立ちの際に骨盤を水平に保つ役割があります。

歩行中は常に片脚支持となるため、中殿筋が弱いと骨盤が左右に揺れます。その揺れを抑えようとして腰方形筋や脊柱起立筋が過剰に働き、腰痛を引き起こします。

※中殿筋機能不全を起こすと、トレンデレンブルグ歩行という上半身を振りながら歩く歩行

慢性腰痛患者では健常者と比較して中殿筋の筋力低下や筋活動の遅れが認められることが報告されています。

患者さんでは、「長時間歩くと腰が痛い」「片足立ちが不安定」「階段で疲れやすい」「立ち仕事で片側の腰が痛い」という症状として現れることが多いです。


~小殿筋~

小殿筋は中殿筋の深層に位置し、骨盤の安定性に関与します。

単独で腰痛の主因になることは少ないですが、中殿筋と一緒に機能低下すると股関節の安定性が低下し、腰部への負担が増加します。


~梨状筋~

梨状筋は仙骨から大腿骨へ向かう深層筋です。過緊張を起こすと臀部痛を生じるだけでなく、坐骨神経を刺激して、坐骨神経痛を起こすことがあります。

梨状筋症候群とも言われております。

梨状筋自体が腰痛の主原因というより、骨盤周囲の筋肉の機能不全の一部として関与しているケースが多いです。中殿筋と梨状筋が癒着してしまうとあまり良くないという事も多いです。


~胸腰筋膜とのつながり~

近年最も注目されているのは、大殿筋と胸腰筋膜の連結です。胸腰筋膜は腰背部を覆う大きな筋膜ですが、大殿筋とも強く連続しています。

そのため大殿筋の筋力低下や機能不全があると、胸腰筋膜に過剰な張力がかかり、腰痛を誘発すると考えられています。

これは現在の腰痛研究で非常に重要なテーマになっています。


~臨床で本当に多いパターン~

筋・筋膜性腰痛の患者さんを診ると、「腹横筋・多裂筋が弱い」「中殿筋・大殿筋も弱い」「股関節が硬い」「腰方形と脊柱起立筋が過緊張になる」腰痛が発生するという流れが非常に多くみられます。

「~が悪い」のではなく、「お尻が働かないために腰が頑張り過ぎている」という状態です。

最近のリハビリテーションでは、腰だけをマッサージしたりストレッチしたりするよりも、「腹横筋」「多裂筋」「中殿筋」「大殿筋」協調して働かせるトレーニングを加えた方が、腰痛の改善や再発予防に有効と考えられています。


筋・筋膜性腰痛では、「腰の筋肉だけが悪くなって痛みが出ている」と考えられがちですが、実際には体幹や股関節を支える複数の筋肉が連鎖的に機能低下を起こした結果として生じることがほとんどです。

近年の研究では、腰椎を安定させる深層筋である腹横筋や腰部多裂筋の活動低下に加え、骨盤を支える中殿筋や大殿筋の筋力低下が重なることで、腰部の筋肉に過剰な負担が集中し、筋・筋膜性腰痛へとつながるメカニズムが示されています。

本来、人が立つ・歩く・しゃがむ・物を持ち上げるといった動作では、まず腹横筋や多裂筋が働いて腰椎を安定させ、そのうえで大殿筋や中殿筋が股関節や骨盤をコントロールします。

この深層筋と臀筋群が協調して働くことで、腰椎にかかる負担は最小限に抑えられています。

サービス業の方々の綺麗なお辞儀では、腰椎はほぼ動きはありません。骨盤と体幹を支えているだけで上半身が前方に傾くのは股関節が屈曲しているだけです。

長時間のデスクワークや運動不足、加齢、繰り返しの腰への負荷などにより、腹横筋や多裂筋の働きが低下、過緊張すると、腰椎の安定性が失われます。

さらに、中殿筋や大殿筋の筋力や筋活動も低下すると、本来股関節で吸収すべき負荷を腰部で代償するようになります。その結果、脊柱起立筋や腰方形筋が必要以上に緊張し続け、筋疲労や血流低下、筋膜の滑走障害が起こり痛みを生じるようになります。

臨床では、このような代償運動のパターンが非常に多くみられます。

例えば、立ち上がる動作では本来大殿筋が主に働くべきところを、腰を反らせるように脊柱起立筋で体を起こしてしまいます。

また、歩行では中殿筋が骨盤を安定させる役割を担いますが、この筋肉が十分に働かないと骨盤が左右に揺れ、その揺れを抑えるために腰方形筋や脊柱起立筋が常に緊張した状態となります。

このような状態が毎日の生活の中で繰り返されることで、腰部の筋肉や筋膜に過剰なストレスが蓄積し、慢性的な腰痛へと進行していきます。

胸腰筋膜の役割も重要で、胸腰筋膜は多裂筋や脊柱起立筋だけでなく、大殿筋や広背筋、腹横筋とも連続しており、これらの筋肉が協調して働くことで張力のバランスが保たれています。

しかし、大殿筋や腹横筋の機能が低下すると胸腰筋膜へ過剰な張力が加わり、筋膜内に存在する侵害受容器(痛みを感じる神経)が刺激されることで、腰痛が引き起こされると考えられています。



筋・筋膜性腰痛の原因として重要度を順位づけすると、

第1群(特に重要)「腰部多裂筋」「腹横筋」「中殿筋」「大殿筋」

第2群、「脊柱起立筋」「腰方形筋」「大腰筋」

第3群、「梨状筋」「小殿筋」「ハムストリングス」というイメージです。

※重要度の順位は、私の経験と学んできた道筋から選択しているものです。

そのため腰痛患者様の評価では、腰だけでなく臀部の筋肉の状態を確認することが非常に重要になります。実際には「腰よりも中殿筋や大殿筋の機能不全が主な問題だった」というケースも少なくありません。


このため筋・筋膜性腰痛の治療では、単に腰の筋肉をほぐしたりストレッチしたりするだけでは十分な改善が得られないことが少なくありません。

腰部だけを治療しても、根本原因である体幹深層筋や臀筋群の機能低下が改善されなければ、再び腰部の筋肉が代償してしまうためです。

その為、腹横筋や多裂筋による腰椎の安定化と、中殿筋・大殿筋による骨盤および股関節の安定化を同時に改善する筋疲労の改善と運動療法がセットで筋・筋膜性腰痛の改善と再発予防に重要であるとされています。

このように、筋・筋膜性腰痛は「腰だけの病気」ではなく、「体幹と骨盤・股関節を支える筋肉のバランスが崩れ、その代償として腰部の筋肉や筋膜に過剰な負担がかかることで生じる疾患」と捉えることが重要です。

実際の臨床でも、腰痛を訴える患者さんを評価すると、腰そのものよりも腹横筋、多裂筋、中殿筋、大殿筋の機能低下や協調性の低下、股関節の運動制限が認められることが非常に多いです。

そのため、これらの筋肉の機能を回復させ、腰部への負担を軽減することが、痛みの改善だけでなく、再発予防にもつながると考えております。