
船橋整骨院BLOG
- コルセットをやめるタイミングは?
- 2025/11/13
今回は多く質問される「コルセットは付けた方がいいですか?」です。
慢性腰痛の方は多くの方がお持ちだとは思います。また、迷っている方も多いかと思います。
今回はコルセットのご利用方法などを私の中(経験)での考えと、いろいろな文献を見た感想も踏まえてお伝えしていきます。
コルセット(背部の腰用ベルト)は「場面によっては有効で、短期間の援助としては役立ちますが、長期間・常時の装着は原則おすすめ致しません」
ですが、仕事内容、受傷ないようによっては長時間または常時付けておいた方が良い方々もおられるので、上記が絶対的なものではございません。
一つの報告によれば、一般的な非特異的腰痛に対してベルト/コルセットを「推奨しない」ことを明記されています。(保守的治療・運動を第一に)
ただこれも、全員に常時使わない方が良いという意味ではなく、標準治療としての常用を支持しない、という意味合いだそうです。
もう一方の研究では、短期間の装着が「痛み軽減」「作業時の機能改善」に有効であった、という報告もあり(職業性の負荷が強い集団や重度の痛みで効果が出やすい)ただこの研究結果にもばらつき(異質性)が大きい点に注意。
筋力低下・萎縮の懸念に関しては、「明確にコルセットが筋力を低下させるという決定的な証拠はない」と結論づけている報告も多いですが、コルセット自体も多様で、簡易的なものから固定力強めのものまで、全体のエビデンスがとれるようなものではないです。
コルセットが「有効な場面」
・急性腰痛(激痛)や炎症の強い時期の短期的疼痛緩和:痛みで動けないときに一旦痛みを抑え、活動を再開しやすくする目的で有用。
・重い物を繰り返し持ち上げる仕事や一時的に腰の負担が増える場面:作業時のみ装着して負担を軽減する用途。
・術後や特定の外傷の安静保持:医師の指示で短期間使用することがある。
「長く付けすぎて悪くなる人」はいるか?
直接的な筋萎縮・機能低下を断定する高品質データは、確かにないのですが、コルセットを常時装着していることによるリスクとしましては、「自己で体幹を使う意識が下がる」→ 日常で自発的に体幹筋を使わなくなり、結果として筋力・耐久性の低下につながりかねません。
患者様とお話をしていると結構多いのが、「装着依存」痛みがあればコルセットをして動かない習慣→ 運動・リハビリ実行率低下につながっている方。
あまり多くは無いのですが、皮膚トラブル、過度の締め付けによる血行障害や呼吸制限(不適合なサイズや長時間着用)が考えられます。
私の考えでは、着用に関してルール基本方針:『短期・目的志向』で使い、必ず能動的リハビリ(運動)と並行して装着することをお勧め致します。運動時はできれば外して頂いた方が良いかと思います。
コルセット装着の目的を明確にする➡痛みコントロール/一時的な安静/作業時の補助 など。目的が達成したら中止または頻度を減らす。
装着時間の目安➡作業・移動など痛みが強いときにのみ装着し、 日常的常用は避ける。
急性痛で短期間に症状が落ち着くなら有用です。24時間常時装着は原則避けたほうが良いです。(就寝時は医師指示がない限り外す)
急性腰痛(ぎっくり腰)の場合、痛いのはご理解できますが、活動的(平常時の生活習慣の6割~7割)で動いて頂いた方が結果は早い方が多いです。 運動(歩行)と併用されることをお勧め致します。
痛いからとお勧め致します。いって座位、寝る姿勢はより筋緊張を強くさせてしまいます。
コルセットは“補助”であって“治療の代わり”ではありません。腰を良くしているものではないので、良くしていこうとお考えであれば、体幹・臀部筋群の強化、動作教育を同時に行うことにより急性腰痛(ぎっくり腰)などになりにくくなります。
もしコルセットをつかわれるのであれば、サイズ不適合や過度の圧迫は副作用のもとです。正しいサイズ・正しい締め方で着用して下さい。
簡単にまとめると➡「コルセットは一時的に痛みを和らげたり仕事で腰を守るのに役立つ装具です。ただし、ずっと着けていると自分の筋肉を使わなくなる癖がつくことがあるので、短期間の使用+並行した腹部の運動(体幹トレーニング)を行うことをお勧め致します。
長期間使う場合は定期的に外してみて、どのような結果が出るかを評価した方がよいかと思います。今までできていたことが、一度腰を痛めコルセットを長期装着、外してみたら痛める前の事ができなくなっているようであれば、何らかの悪い変化が起きている場合があります。
ぎっくり腰などは、そこまで怖い損傷ではありません。長年やってきたことがぎっくり腰によってその後できなくなることはあまりありません。
しっかりケアしていればもとに戻ります。ですが、ぎっくり腰を起こす方の腰部の状態は基本的にあまり良くありません。腰部状態の悪い方がぎっくり腰を起こしてしまうケースが多いです。
自宅でできる運動としては、腹筋を主にトレーニングした頂くと良いかと思います。(痛みが強い時は痛みの出ない範囲で)
自宅で背筋”腰部筋肉”のトレーニング(腰を反らす動作)をやられる方がおりますが、自宅での背筋のトレーニングは難しいので行わない方が良いかと思います。
また、背筋は疲労している場合が多いのでトレーニングよりもケアをお勧め致します。
悩まれておられる方は一度ご来院ください。




